こんな日には、さらりとブルトンシャツを -A Day With The Breton Shirt-
Vol.1 フリープランナー 種市 暁さん
今、気になる人の日常をクローズアップ。
アルモリュクスの看板アイテム「ブルトンシャツ」を
さらりと着ていただきながら、とある1日に密着。
服との関わりや、ご自身のこれまでについて
さらりとお話を伺います。
自分が心地いいことが何よりも大事
「お洒落であるより、格好良くありたい」という思いから、リラックスしているのに格好良く見えるスタイルで注目を集めているのが、フリープランナーの種市暁さん。
メンズ誌『OCEANS』の連載企画だけでなく、インスタグラムや広告媒体などの出演でも、クールなスタイリングで支持を集めています。
ご自身が出演する際にセルフスタイリングをするだけでなく、これまでの交流から俳優やアーティストなどからスタイリングのオファーを受けることもあるそう。
「自分が心地いいことを大切に」という種市さんの服選び。少しゆるめのサイズ感でチョイス。
「服を選ぶ際に重視するのは、着心地の良さや上質さ。自分が気持ちよく過ごせることが何より大切だと思っています。
髪の色や日焼けした肌の色、深まるシワなど、年を重ねた今の姿は、間違いなく若い頃とは違うので、そうした変化もコーディネイトを構成する大事な要素として捉えています」
“服が立つ”というよりも“人が立つ”ことを意識して、コーディネイトを考えるという種市さんから見て、アルモリュクスのブルトンシャツはどのように映ったのでしょう。
古着のペインターパンツにベレー帽、MBTのサンダルでリラクシングにまとめています。
「オーガニックコットンの肌触りや上質な仕立ては僕好み。定期的に着たくなる服です。今回選んだサイズは自分にちょうどよくフィット。きっとパターンもいいんでしょうね。ゆったりと着られました。若い頃はもう少しタイトに着ていたかもしれません」
コーディネイトにパーソナルな要素を重視する種市さんらしく、年齢を考慮したリラックス感のあるサイズをチョイス。
オーガニックコットンを採用した心地よい素材感が、“種カジ”にもフィット。
「ブルトンシャツのお膝元であるブルターニュは港町ですよね。サーフが好きな僕としては、こうしたマリンテイストはスタンダードのひとつ。同様にボーダーシャツが有名なバスク地方も好きですし、ブルターニュもまた訪れてみたい地域のひとつ。同じビスケー湾を囲んでいますからね」
サーフィンを趣味とするだけあって、海をルーツとしている点にも惹かれた模様。今回の装いは、そうした大西洋沿岸地域のマリンテイストを意識したスタイルに。
身長186㎝の種市さんは、サイズ6(XL)を着用。 8TV.ナチュール/エトワールの配色を爽やかに着こなしています。
「いつもの履き慣れたペインターパンツを合わせて、ブルーが映えるコーディネイトを意識しました」と、気取らない感じで爽やかに着こなす種市さん。小物選びにもさらりとセンスを発揮します。
いつも着用している「ヨイ アカツキ」のゴールドネックレス。やや狭めに設定されたボートネックからチラリとのぞきます。
「ベレー帽はフランスの民芸品のような存在。必ずしもファッションの先端というアイテムではないんですが、テイストを合わせて無造作に被ってみました。休日の乱れたヘアを被るだけで隠せるメリットもあります。
サンダルは、自分でもブランドをプロデュースするくらい不可欠なアイテム。ここでは、あえて姿勢矯正を出自としたブランド、MBTのサンダルを合わせています。
ファッションブランドではないサンダルと合わせることで、“おじさんミックス”といったハズしを狙っています。きっと直球ならばエスパドリーユなんでしょうけど、それは定番すぎるかなと(笑)」
服の生まれたカルチャーを大事にしながら、定番的なスタイルを絶妙に避け、ちょっとした遊び心を加えるところもまた、種市さんのスタイルが支持される所以なのでしょう。
人と人とのつながりで、歩んできた四半世紀
現在はフリーのプランナーとして、ブランディングを手がけたり、ブランドと人とをつなぎ合わせたり、生産背景の差配に携わったりする傍ら、カレー店の共同プロデュースやビーチサンダルブランドの立ち上げ、加えて、雑誌連載やSNSなどで自身の着こなしを紹介するなど、多岐にわたって活躍中。
出身でもあるビームスの店舗「ビームス プラネッツ リミテッドストア下北沢」をふらりと訪れ、かつての仲間と会話を楽しむ種市さん。共同プロデュースする「サンゾウトーキョー」が軒を連ねる下北沢reloadにて。
そんな種市さんを形づくったのは、やはり社会人として長い時間を過ごしたビームスでの経験だといいます。
「自分がやりたいと思ったことを自由にやらせてくれる会社でしたね。やりたいと手を挙げると、“じゃあやってみろ”と。そういう中で育でていただきました。
自らが楽しめることがそのまま仕事になっていたので、遊んでいるような感覚でしたね(笑)。ビームスで築いた人間関係が今の仕事にも大きく影響しています」
ビームス時代は、日本の老舗バッグメーカー「吉田カバン」とのコラボレーションブランド「B印」のディレクターを務め、数々のコラボレーションをまとめてきた実績も。
「ドバイ発のファッション&カルチャーマガジン『ブラウンブック』とのコラボレーションは印象深かったですね。雑誌を率いる双子のビン・シャビブブラザーズとともに中東の砂漠をドライブしたり、遊んだり、ひとつのものを作るのにカルチャーの深部にまでリーチするという僕らのスタイルとも非常にマッチしました。
もちろん、ビジネスマンとして数字を相手にしながら、単純に“ものを売る”という以外の楽しみも伝えていきたい、と思うようになったんです」
バッグブランドとのコラボレーションでありながら、多様なアイテムをリリースすることで、カルチャー的な奥行きを表現してきたといいます。
「遊ぶように働く」という種市さんの流儀は、服を売るという以外のカルチャー的な要素も含めて、服を着る楽しさを伝えることで育まれたのでしょう。
衣食住に長けた3名のプロデューサーによって誕生した「サンゾウトーキョー」にて。カレークリエーターISONOCURRYMANが織りなす絶品カレーを楽しめるほか、アートが展示されるギャラリーという一面も。ほか、種市さんも携わるウェアなども販売。
現在は、カレーを提供するギャラリー「サンゾウトーキョー」のプロデューサーも務め、仕事の幅をますます広げている最中。
人と人とをつなげながら自分らしく働く種市さん。今後どうなるかは未知数だといいます。
「今後も縁を大事にしながら、自分らしく仕事ができたらと思っています」
きっとこれからも、種市さんの周りには「楽しいこと」がたくさん生まれていくのでしょう。
Photograph/Dai Yamamoto, Edit&Text/Masashi Takamura
Profile
たねいちあきら○大学卒業後、ビームスに入社。B印YOSHIDA ディレクターなどを経たのちに独立してフリーランスに。ブランドのディレクションを筆頭に、自身でもサンダルブランド「エルニドフリップス」を手がける。また、雑誌『OCEANS』連載「種カジのタネあかし」ほか、広告出演やモデルのスタイリングのほか、下北沢のカレー店「サンゾウトーキョー」を共同プロデュース。Tシャツやスウェットといったコラボアイテムなども揃う。インスタグラム(https://www.instagram.com/taneichiakira/)は、フォロワー2.5万人。